太平洋で「ゴジラ」が目覚めた

こんにちは、谷口です。

今、太平洋の真ん中で、観測史上最強クラスになるかもしれない自然現象が育っています。科学者たちはそれを「スーパーエルニーニョ」、そして非公式には「ゴジラ・エルニーニョ」と呼んでいます。ニューヨーク・タイムズの報道と、同紙のポッドキャスト「The Daily」の解説をもとに、今日はこの話をお届けします。


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1950年以降、最強になる可能性

エルニーニョとは、数年に一度、太平洋の広い海域の海水温が通常より高くなる自然現象です。今年のものは、まだ本来のピーク(冬)を迎えていない8月の時点で、すでに過去の大型エルニーニョに匹敵する規模に育っており、専門家たちは「1950年の観測開始以来、最強になる可能性が69%」と分析しています。中には、過去数百年、あるいは千年単位で見ても最大級になるのではないか、という声もあります。

すでに世界各地で兆しが出ています。中央太平洋の島国キリバスでは、海水温が平年より2度以上高くなり、サンゴの白化が始まっています。パナマでは記録的な少雨でパナマ運河の運航にまで影響が出始め、アフリカの角(エチオピア、ケニアなど)やインドでは記録的な乾燥が報告されています。私の知人がフランスに住んで20年になりますが、今年のヨーロッパの猛暑についてもよく話を聞きます。地球の裏側の海の変化が、思いもよらない場所の暮らしにまでつながっているのです。

歴史をさかのぼると、1877年に起きた大型エルニーニョは、世界各地の飢饉と重なり、推定5000万人が命を落としたとされています。当時と今とでは農業技術も備蓄も大きく違うため、専門家は「同じ規模の悲劇にはならない」と見ていますが、それでも国連の世界食糧計画は、今回のエルニーニョによって新たに5000万人が食料不足に直面すると予測しています。

ただし、公平のために付け加えると、この現象と気候変動の関係について、専門家たちの意見は完全には一致していません。「エルニーニョの影響を、気候変動が増幅させていること」はほぼ確実とされていますが、「エルニーニョという現象自体が、気候変動によってより強く、より頻繁になっているのか」については、まだ結論が出ていません。


私の視点

私がこの記事でいちばん心に残ったのは、事実そのものよりも、「ゴジラ」という呼び名でした。

科学者たちは、決して大げさな煽り文句としてこの名前を使っているわけではありません。それでも、人知を超えた自然の規模を前にしたとき、人はどうしても、そこに何か圧倒的な存在の名前をつけたくなるのだと思います。

そもそもゴジラという怪獣自体、1954年、水爆実験の恐怖の中から生まれた、日本人の想像力の産物でした。人間の手に負えない力への畏れが、あの姿を生んだのです。今、太平洋の向こうの科学者たちが、気候現象に同じ名前を借りているのは、偶然とはいえ、示唆的だと感じます。

思えば日本人は古くから、台風にも地震にも、噴火にも、それぞれに神を見てきました。荒ぶる神、鎮まらぬ神。人間の力の及ばない自然に対して、恐れながらも敬い、鎮め、共に生きる作法を、長い時間をかけて育んできたのだと思います。それは、自然を制御できると考える態度とは違う、もう一つの知恵だったのではないでしょうか。


私からのメッセージ

NOAAの専門家は、この記事の中でこう語っています。「恐怖の土台は無知だ。エルニーニョは恐れるものではなく、理解し、備えるものだ」。

私はこれに、半分は賛成で、半分はそうではないと感じています。理解し、備えることは、もちろん大切です。しかし、理解したからといって、畏れを手放す必要はないと思うのです。畏れながら、それでも備える。日本人が自然に対して長く培ってきたのは、まさにその姿勢だったのではないでしょうか。


今日のひと言

あなたが自然に対して感じる「畏れ」は、何でしょうか。


情報源について

この記事は、以下の一次情報をもとに執筆しています。

  • David Gelles ほか、The New York Times(2026年8月〜9月、エルニーニョ関連報道)
  • ポッドキャスト「The Daily」(The New York Times、2026年8月19日配信分、Michael Barbaro、Chico Harlan)

本記事は、公表されている報道をもとに、谷口光利が独自の視点でまとめたものです。フランスの知人についての言及は、個人が特定されない範囲での一般的な言及です。

日本ボディーケア学院学院
鍼灸師、柔道整復師、指圧師

日本ボディーケア学院は今年で開講27年目を迎え、国内では通学講座、オンライン教材で指導し、現在87カ国に教材を販売している。

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